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麻酔科

疾患と症例

こどもの麻酔

こども病院では、手術の際および痛みを伴う検査(血管造影など)の際に、全身麻酔を行っています。全身麻酔とは、患者に麻酔薬を投与し、意識を完全になくし、痛みも記憶もない状態にすることで、患者には手術中の苦痛がありません。当院では手術に伴う麻酔はすべて「麻酔科医」が担当しています。

●手術前日

手術を行う日が決まったら、手術の前日までに麻酔科医が麻酔の説明を行います。手術の前日もしくは前前日に入院される方は、通常、外来の診察室で麻酔科医による診察と説明、手術室看護師によるオリエンテーションを受けていただきます。
もし麻酔や手術に関して不安な点や疑問点があれば何でも質問してください。また普段のお子さまの状態、アレルギー、かぜ、喘息、普段から持っている病気、飲んでいる薬などについて、麻酔科医に話していただくようお願いします。 また、入院せずに手術を行う場合は、「日帰り手術 」のページも合わせてご覧ください。

●手術当日

手術前は飲んだり食べたりする時間が決められているので入院後は指示を守ってください。おなかの中に食べたり飲んだりしたものが入っていると、手術中に吐きもどしたりして危険です。

手術の1時間ぐらい前に、お子さまによっては眠たくなるお薬を飲んでもらうことがあります。手術室に来るときの不安を取るためです。
手術室に入ったら、小さなお子さまではたいていの場合、まず眠たくなるガスを吸ってもらいます。これを吸うことにより1から2分程度の間に、完全に眠ってしまいます。この後で点滴を入れることで注射の痛みもありません。眠ってからは口から気管の中に人工呼吸のための管を入れ、手術を始めますが、これも眠っているため何も痛みを感じることはなく、記憶にも残りません。また、眠たくなるガスには少しのにおいがありますが、バニラやイチゴなどのエッセンス(香料)を使ってにおいが気にならないようにしています。

一方起きている間に点滴をいれてもいいという大きなお子さまや、治療上どうしても点滴が始めに必要な場合は、まず点滴を入れます。その後その点滴を通して眠たくなるお薬を入れ、眠ってもらいます。

●手術が終わったら

手術が終わったら、通常、目を覚まさせてから病室へ戻ります。とはいえ、戻った当初は眠っていたり、泣いていたり、ぐずっていたり、お子さまによりさまざまです。時間とともにしっかりしてきます。

大きな手術や心臓手術などでは、手術が終わった直後は意識や呼吸が十分ではないため、すぐに目を覚まさないことがあります。この場合は手術が終わった後も眠ったままで、人工呼吸などを続けます。意識や呼吸の十分な回復を待って、目を覚まさせていくのです。

<よくあるご質問>

手術中に目が覚めることはないですか:

現在使用されている麻酔薬、および麻酔の方法では、手術中に目が覚めていることはありません。非常に特殊な状況(例えば血圧が非常に下がって麻酔薬を投与できない)では目が覚めることがないとはいえませんが、非常にまれなことです。

手術が終わってかならず目が覚めるのでしょうか:

上述した心臓手術や大手術、長時間手術など、また手術中に心臓や呼吸のぐあいが悪くなったときなどでは、あえて手術が終わっても目が覚めないようにします。しかしそれ以外では、手術が終わったらかならず目が覚めます。

夢を見ることはありますか:

ほとんどのお子さまでは、麻酔中に夢を見ることはありません。手術中の記憶もないし、痛みも感じません。

手術が終わった後は痛いのですか:

手術をすれば傷ができ、痛みがあります。その痛みができるだけ小さくなるように、多くの場合は手術中から痛み止めの薬を投与します。その薬は手術の大きさや種類に合わせて、坐薬、点滴、神経ブロック(傷に向かう神経の近くに痛み止めを注射する)、硬膜外麻酔(脊髄のそばに入れた細い管から痛み止めを投与する)などの方法を用います。

麻酔の副作用・合併症にはどのようなものがありますか:

麻酔は、手術の間に一定時間意識をなくし、痛みも記憶もない状態にする医療行為であり、一定のリスク(危険性)が伴います。そのリスクは、気管に管を入れるときに歯を損傷したり、手術中に血圧が下がったり、体の中の酸素が足らなくなったり、手術中に高熱が出たりするなど、軽微なものから重篤なものまで様々なものがあります。

麻酔科ではこのようなリスクがどの程度予想されるかを、術前の診察や検査値から評価し、それに対する対策を立てたうえで麻酔を行います。このため、お子様の手術前の状態、特に、かぜ、喘息、アレルギー、心臓病やてんかんなどの持病、現在飲んでいる薬などについては、麻酔科医による診察の際に伝えていただくようお願いします。

手術中は、麻酔科医がずっとそばに居て、お子様に何か問題があれば直ちに対応します。こうしたことから、一般的には麻酔に伴う重篤な副作用や合併症の危険性は高いものではなく、それほど心配するものではないと言えます。

繰り返し麻酔を受けても大丈夫でしょうか:

まずは麻酔のどのような点が不安なのか、主治医や麻酔科医とご相談ください。
麻酔薬は、投与している間は麻酔の作用がありますが(無意識の状態となる)、投与終了後はすみやかに体から排泄され、もとの状態に戻ります。前項にあげた麻酔の副作用や合併症のリスクは、繰り返し麻酔を受ける場合にも毎回問題となりますが、回数を重ねるごとに一回ごとのリスクが高くなるということはありません。

手術の予定日が近いのですが、かぜを引いているときや、喘息(ぜんそく)発作があっても大丈夫でしょうか:

かぜを引いていたり、喘息発作があると、その程度にもよりますが、咳や痰が多いことから手術中に体の中の酸素が不足したり、手術後に肺炎になったり、入院が長引いたりする可能性があります。このため、できる限り体調の良いときに手術を受けることが望ましいです。

手術を急ぐ必要がなければ、かぜの場合は治ってから2週間ぐらい経ってから、喘息の場合は発作のない状態が1か月は続いてから、手術を受けることをお勧めしています。喘息の予防のための薬は、きちんと続けておいてください。かぜや喘息のある場合に実際に手術を受けることができるかどうかは、保護者および主治医・麻酔科医で相談して判断することになります。

手術後に暴れることはあるのでしょうか:

手術が終わった直後は、お子様の場合、「今は手術が終わったところで、病院にいるんだ」ということをすぐには認識できないことに加えて、痛みがあったり、点滴が入っていたり、おなかがすいていたり、普段と環境が異なる、あるいは麻酔薬の影響がまだ残っていることで、必ずしも快適な状態ではありません。このため一時的に暴れたり、興奮が続くことがあります。程度がひどい場合は鎮静する薬(眠たくなる薬)を投与する場合がありますが、通常、30分程度でおさまり、必ずもとの状態に戻ります。

全身麻酔によって脳や発達に影響はないですか:

全身麻酔のために用いる薬が、マウスやラットなどの赤ちゃんを用いた動物実験で、脳や発達に影響を与えるというデータが出ています。これについては世界中で研究が進められていますが、現時点で、人間においてそのようなは証拠ありません。
全身麻酔を行わずに手術を受けることは、小児では困難ですから、お子様に必要な手術であれば、麻酔薬の体への影響を恐れて手術を受けることをやめることはありません。その手術がお子様に必要であるかどうかを、主治医とよくご相談ください。

プロポフォールという薬について教えてください:

プロポフォールは20年以上前から日本を含めて世界中で用いられている麻酔薬で、小児の麻酔や鎮静の際にも安全に用いることができ、これまでも多くの小児に用いられてきました。しかしながら、他病院においてプロポフォールを集中治療室で長期間・大量に用いることに関連した医療事故が過去に報道されました。
プロポフォールの添付文書には、小児の集中治療室における使用は禁忌(使ってはいけない)との記載がありますが、手術のための麻酔薬としてはこうした使用制限はありません。当院では、添付文書や麻酔学会のガイドラインにしたがってプロポフォールを用いますのでご安心ください。

もっと詳しく教えてください:

日本小児麻酔学会のホームページ に、より詳細な麻酔についての説明と、お子様や保護者の方の心構えについて記載がありますのでお読みください。
手術を受けるこどもさんとその保護者の方への麻酔説明動画(日本語版作成 あいち小児保健医療総合センター麻酔科 宮津光範先生らによる)もございます。
入院前にお子様と一緒にご覧ください。

産科の麻酔

当院では、産科の患者が帝王切開などの手術を受けるときには、麻酔科医が麻酔を担当します。

●手術前

手術が決定したら、麻酔科医が麻酔の説明にうかがいます。診察を行い、手術前の注意点や麻酔法の説明を行います。もし麻酔や手術に関して不安な点や疑問点があれば何でも質問してください。またアレルギー、かぜ、普段から持っている病気、飲んでいる薬などについて、麻酔科医に話していただくようお願いします。ただし、非常に急いで手術を行わなければならない場合には手術前にゆっくり麻酔のお話をする余裕がないため、麻酔の説明を省略する場合もあります。

●麻酔の方法

帝王切開をはじめとして、妊婦が受ける手術に必要な麻酔は、多くの場合「脊椎麻酔(せきついますい、正式な名称は脊髄くも膜下麻酔)」です。背中の、腰のあたりから針を刺して、脊髄(せきずい)のすぐそばに麻酔薬を入れ、下半身を麻酔して手術するというものです。手術中は意識があり、人の話し声などが聞こえます。盲腸の手術などでこの麻酔を受けた方もおられることでしょう。

また、赤ちゃんの状態や妊婦の状態によっては、「全身麻酔」すなわち点滴から眠たくなる薬を入れ、完全に意識をなくし、痛みや記憶をなくした状態で手術する場合や、「硬膜外麻酔」といって背中から麻酔薬を入れる細い管を入れて麻酔を行う場合があります。

●手術室にて

脊椎麻酔を行う場合について説明します。手術室に入ったら心電図や血圧計などを体につけます。そして手術台の上で横向きに寝てもらい、ひざをかかえて「えび」のように丸くなってもらいます。その状態で麻酔科医が背中を消毒し、麻酔薬を注射します。この注射に使う針は長いものですが、この針を入れるためにまず細い針で痛み止めの注射を行うため、それほど痛く感じることはないでしょう。

注射が終われば、足の先からしびれてくるのを感じるでしょう。このしびれは徐々に上にあがり、15分ぐらいの間に胸ぐらいのところまでしびれて、それより下は触っている感覚は残っていますが、つねっても痛くなくなります。麻酔科医は、どこまで麻酔が効いているか調べます。十分麻酔が効いた段階で、手術開始となります。

手術中は気分が悪くなったり息が苦しくなったりすることがありますが、スタッフが必ずそばにいるので知らせてください。

●手術が終わったら

手術が終わってからしばらくの間は、麻酔が効いているので下半身はしびれたままです。6時間もたてばかなり足が動くようになり、元に戻っているのを感じることでしょう。脊椎麻酔の後に頭痛を起こす人がいますが、安静にしていればそれほどひどくはなりません。

<よくあるご質問>

以前背中から麻酔をしたときに非常に痛かったのですが:

上述したように、麻酔のための針を入れるために、まず非常に細い針で痛み止めを行います。まったく痛くないわけではありませんが、多くの方ではチクリとする程度です。

麻酔がちゃんと効くでしょうか:

何らかの原因により、脊椎麻酔が十分に効かないことがあります。もし一回の脊椎麻酔で不十分なときは、もう一度行う場合があります。これでも十分麻酔が効いていなければ、全身麻酔に切り替え、眠ってもらってから手術をすることになります。いずれにせよ、麻酔が効いていない状態で手術をすることはありません。

手術後の傷は痛いですか:

帝王切開を脊椎麻酔で行う場合、麻酔の薬の中に長時間作用する鎮痛薬を通常入れています。このため、傷の痛みはそれほど強いものではありません。もし痛みがあれば、病棟にて痛み止めの薬(坐薬や注射)が処方されますので遠慮なく言ってください。

手術中目が覚めているのは怖いのですが:

通常の帝王切開は、脊椎麻酔で行われますが、これに必要な麻酔薬は非常に少量です。非常に少量なので、おなかの赤ちゃんに対しては麻酔薬の副作用はほとんどありません。また手術中目が覚めていることにより、赤ちゃんが生まれたときの泣き声を聞くことができます。しかしながら、どうしても怖い場合は相談の上、全身麻酔を選択することも可能です。



診療統計


2017年診療実績

年間総麻酔件数は4646件です。

麻酔法の内訳としては全身麻酔(主に小児)が4511件、脊椎麻酔・硬膜外麻酔(産科)が134件、その他1件でした。

場所の内訳として、手術室内で行われた麻酔は4067件(うちアンギオ室326件、日帰り手術873件)、手術室外で行われた麻酔は579件(うちMRI検査20件、病棟で麻酔531)でした。

年齢の区分では、新生児症例(生後1ヵ月未満)が119件、乳児症例(生後1ヶ月以上1才未満)が609件と全体の16を占めています。


2016年診療実績

年間総麻酔件数は4298件です。

麻酔法の内訳としては全身麻酔(主に小児)が4160件、脊椎麻酔・硬膜外麻酔(産科)が129件、その他9件でした。
本年は5月の病院移転にともない、血管造影検査が手術室内で行われるようになりました。
場所の内訳として、手術室内で行われた麻酔は3641件(うち日帰り手術は約24%)、手術室外で行われた麻酔は657でした。また、血管造影室で行われた全麻検査は304件、MRI検査の麻酔は9件、病棟で行われた麻酔は520件でした。年齢の区分では、新生児症例(生後1ヵ月未満)が119件、乳児症例(生後1ヶ月以上1才未満)が609件と全体の2割弱を占めています。


2015年診療実績


年間総麻酔件数は4735件です。

麻酔法の内訳としては全身麻酔(主に小児)が4580件、脊椎麻酔・硬膜外麻酔(産科)が152件、その他3件でした。
場所の内訳として、手術室で行われた麻酔は3747件で、そのうち入院手術が2759件、日帰り手術が988件でした。他に、病棟での麻酔が618件、放射線検査の麻酔が362件、MRI検査の麻酔が8件でした。
年齢の区分では、新生児症例(生後1ヵ月未満)が144件、乳児症例(生後1ヶ月以上1才未満)が773件と全体の2割弱を占めています。



2014年診療実績


年間総麻酔件数は4304件です。

麻酔法の内訳としては全身麻酔(主に小児)が4136件、脊椎麻酔・硬膜外麻酔(産科)が165件、その他3件でした。
場所の内訳として、手術室で行われた麻酔は3573件で、そのうち入院手術が2638件、日帰り手術が935件でした。他に、病棟での麻酔が396件、放射線検査の麻酔が309件、MRI検査の麻酔が26件でした。
年齢の区分では、新生児症例(生後1ヵ月未満)が138件、乳児症例(生後1ヶ月以上1才未満)が691件と全体の2割弱を占めています。



2013年診療実績


年間総麻酔件数は4673件です。

麻酔法の内訳としては全身麻酔(主に小児)が4471件、脊椎麻酔・硬膜外麻酔(産科)が200件、その他2件でした。
場所の内訳として、手術室で行われた麻酔は3721件で、そのうち入院手術が2731件、日帰り手術が990件でした。他に、病棟での麻酔が617件、放射線検査の麻酔が317件、MRI検査の麻酔が18件でした。
年齢の区分では、新生児症例(生後1ヵ月未満)が128件、乳児症例(生後1ヶ月以上1才未満)が702件と全体の2割弱を占めています。


連絡先 連絡先:兵庫県立こども病院 麻酔科
住所:〒650-0047 神戸市中央区港島南町1丁目6-7
電話(078) 945-7300(代表)
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