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脳神経外科

疾患と症例

脳・脊髄腫瘍

 小児がんの第2位の発生頻度を有する脳・脊髄腫瘍(髄芽腫、上衣腫、胚細胞腫瘍、星細胞腫、神経膠腫などを中心に)の集学的治療については、脳神経外科、血液腫瘍内科、放射線科、病理の専門医を中心としたチームにより日本小児がん研究会脳腫瘍治療グループの標準治療に基づき専門病棟において治療を進めています。

 これらの疾患の初発症状は頭痛・嘔吐など感冒などに近いため注意が必要であり、早期発見が重要です。長く持続する症状などご不安のある方は脳神経外科外来にて随時対応致しますので遠慮なくご相談下さい。

 治療に関しては、当施設各部門専門家の統一見解によるバランスの取れた治療がお子さまの将来を向上させます。治療後は後療法による将来への影響を考え、思春期はもちろん若年成人( AYA世代 )まで外来にて追跡を行っています。また最新治療として、お子さまの将来に支障を来す晩期合併症が少ないと注目されている陽子線治療を、当施設に入院しながら隣接する神戸陽子線センターで受けることができます(下記別項あり参照)。

脳血管障害

もやもや病、脳動静脈奇形、脳出血に対しては、常時MRI、3D-CTA、脳血管撮影、術中蛍光血管造影が可能であり、血管内治療も含めた外科的治療を行っています。

海綿状血管腫に対しては、当院倫理委員会の承認を得て、新たな内服治療であるプロプラノロール療法を開始しました。

海綿状血管腫に対するプロプラノロール療法.pdf

二分脊椎

毎週金曜日の二分脊椎外来において泌尿器科、整形外科と協議して治療を進める体制を確立しています。脊椎再建を要する疾患の治療も行っています。

水頭症、その他の先天性疾患

水頭症については厳密な手術適応に基づく髄液短絡術、神経内視鏡手術を行なっています。また脊髄髄膜瘤、シャント機能不全なども含め緊急性の高い疾患に対しても終日対応が可能です。

頭蓋縫合早期癒合症(頭蓋顔面奇形)

形成外科専門医とともに高度な頭蓋顔面奇形に対する治療を行っています。6か月未満の症例では内視鏡による縫合切除術、ヘルメット治療も行っています。

脊髄空洞症、頭蓋頚椎移行部病変などの脊椎脊髄疾患

キアリII型奇形、キアリI型奇形、その他に伴う脊髄空洞症の治療に豊富な経験を有しています。また環軸椎亜脱臼など、内固定を要する治療も整形外科医と連携して行っています。

機能的脳神経外科

痙縮に対するバクロフェン髄腔内投与療法、てんかんに対する迷走神経刺激療法を希望される方も受け入れ可能です。

赤ちゃんの頭の形外来

毎週月曜日午前

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赤ちゃんの頭の変形のうち、病的なもの以外は頭位性斜頭や位置的頭蓋変形などと呼ばれ、その頻度は60人〜300人に1人と報告されています。大半は首が座った後に改善すると考えられていましたが、変形が強い場合には睡眠時の向き癖が変わらず、変形が助長される事もあります。頭位性斜頭は発達遅滞や機能障害の原因にはならないとされていますが、見た目の問題以外にも眼鏡や帽子が合わせづらいなどの問題が指摘されています。治療としてはヘルメットによる矯正が有効とされており、米国では年間1万人に行われている一般的な治療です。日本でも米国同様に保険診療ではありませんが、国立成育医療研究センターで2012年にヘルメットによる頭蓋形状誘導療法が開始され、2017年9月までに250例以上に治療が行われその有効性と安全性が示されました。

当院でも倫理委員会の承認を得て2018年5月から「赤ちゃんの頭の形外来」を開設しました。対象は生後3か月から7か月の赤ちゃんで、手術が必要な病気を否定した後に治療の同意を得てヘルメットを作成します。3〜4週おきに受診し、形状や皮膚障害のチェック、ヘルメットの微調整を行い、約6か月で治療を終了します。費用は36万円(税込、2018年7月現在)です。当院で使用するヘルメットは国立成育医療研究センターと同じ「ミシガン大学式頭蓋形状誘導ヘルメット」です。ヘルメットによる頭蓋形状誘導療法の副作用として肌荒れ、汗疹などの皮膚障害が報告されています。

3か月未満の赤ちゃんや変形が軽度の場合は積極的体位変換の指導を行い、ヘルメットなしで経過を見ることもあります。また単なる向き癖と思われていた場合も手術が必要な病気が隠れている可能性もあります。赤ちゃんの頭の形で気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。初回の診察は保険診療です。紹介状がなくても受診可能ですが、初診料とは別に2600円ご負担していただきます。8か月以上の乳児や、ヘルメットはご希望されずに診察のみご希望の方も受診可能です。

ヘルメット装着までの流れ.pdf

デザイン見本.pdf

パンフレット.pdf

その他の脳・脊髄疾患

感染症や外傷など外科的治療が必要な場合は随時緊急で対応しています。

小児脳脊髄腫瘍に対する陽子線治療

当施設内 血席腫瘍内科、放射線科、病理部及び隣接する兵庫県立粒子線医療センター附属神戸陽子線センターと連携して症例検討会を開催し、適応症例を見極めて治療に従事して経験症例を積み重ねています。外科的治療後や化学療法中の症例に対しても、水曜日午後、金曜日午前午後の脳神経外科外来にて相談に応じています。ご希望の方は予約センターより診察予約をお取り下さい。

診療体制


診療体制

小児脳腫瘍に対する集学的治療

脳・脊髄腫瘍に対しては疾患のみならずお子さまご家族の全人的な治療に、脳神経外科・血液腫瘍内科・放射線科・病理専門医・内分泌代謝内科・指導相談部・外来及び病棟スタッフなどを中心にした小児がん脳腫瘍治療チームが専門病棟で当たります。また必要に応じて兵庫県立がんセンター、兵庫県立粒子線治療センターと連携してお子さまに最良の選択肢を提供します。毎週金曜には各科の専門医による診察を行っています。

頭蓋顔面奇形に対するチーム医療

頭蓋縫合早期癒合症(狭頭症)の中には、顔面の高度の変形を伴う例があります(クルーゾン症候群、アペール症候群など)。頭蓋変形の手術のみならず眼窩・上顎などの顔面骨に及ぶ手術を必要とする場合には、脳神経外科と形成外科医による緊密な連携が治療には不可欠となります。 
 こども病院では顔面に変形が及ぶ場合には早期に形成外科医と連携しながら治療を開始し、手術も共同で行ないます。小児麻酔科医の協力も得て、安全な手術により良好な形態改善を得ています。

二分脊椎外来

脊髄髄膜瘤や脊髄脂肪腫などの二分脊椎のお子さまは、脳神経外科医により脊髄の手術が行なわれた後も、排尿/排便障害、下肢麻痺、脊椎変形などのために、複数の専門家による継続的な治療を必要とする場合があります。
脳神経外科医・整形外科医・泌尿器科医を中心として、成長や進学に合わせて小児外科医・WOC看護師なども含めたチームで治療を進めています。
毎週金曜には各科の専門医により一度に診察する二分脊椎外来を開設しています。
担当医)
整形外科;薩摩、小林、坂田、衣笠
脳神経外科;小山、阿久津、河村
泌尿器科;杉多、大饗、春名

専門外来参照


診療実績


2001年から2016年までの手術件数は2501例で、年間約150例の脳・脊髄手術を行っており、小児のあらゆる外科的脳・脊髄疾患を治療しています。脳・脊髄腫瘍の手術は年間15例以上あり、術後は悪性腫瘍に対して常時4〜5名の患児の標準治療を専門病棟で行っています。また、二分脊椎は200名以上を定期的にフォローアップしています。水頭症の手術は年間20例以上実施しています。頭蓋顔面奇形に対する再建術は、形成外科との緊密な協力体制の下に良好な成績を得ています。

2017年度 手術件数.pdf

連絡先 連絡先:兵庫県立こども病院 脳神経外科
住所 :〒650-0047 神戸市中央区港島南町1丁目6-7
電話(078) 945-7300(代表)
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