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泌尿器科

疾患と症例

停留精巣

男児100人中1人に認められるとされる精巣が陰のうまで降りない病気です。胎児期には精巣は腹部にあり、出生前に陰のうまで降りてくるのですが、それが途中で留まった(停留した)状態です。生後6カ月を過ぎると自然に下降する可能性はありませんので、当院では1歳半頃までに手術して降ろすこと(精巣固定術)をお勧めしています。下着で隠れるそけい部に約2cm、陰のうに約1.5cmの切開をしますが、傷跡が目立つことはまれです。全身麻酔となりますが、他に合併する病気がなければ、日帰り手術ができます。手術時間は約40-50分です。

尿道下裂

男児の外尿道口が本来の亀頭の先端に開口しておらず、亀頭の下部や陰茎の途中、あるいは陰茎の根元などに開口している状態です。程度が強い場合は立ち小便ができないなどの問題や、陰茎の屈曲がある場合は将来の性生活の問題が生じる可能性があります。陰茎の屈曲を直し、新しい尿道を作成する手術を行います。亀頭の大きさで、手術時期を決めていますが、お子さまの記憶が残らない時期に行うのが良いと考えています。手術時間は3時間半前後、手術の成功率は約90%で、合併症はろう孔(尿漏れ)、尿道狭さく(排尿障害)などです。ろう孔は、約6ヶ月後に日帰り手術で閉鎖します。

膀胱尿管逆流

腎臓で作られた尿は、尿管から膀胱に流れます。膀胱にたまった尿は、尿道から体外へ出ていきます(排尿)。この尿の流れは本来一方通行ですが、膀胱の尿が再び尿管や腎臓に逆流する病気が膀胱尿管逆流です。発熱を伴う尿路感染症を合併しやすく、感染を繰り返すと、腎瘢痕(腎臓のキズ)が増え、腎機能が悪くなります。膀胱に注入した造影剤が尿管や腎臓に逆流するかどうか、X線で診断します。程度により5段階に分類されます。自然治癒を待つという方法と、自然治癒が見込めないあるいは感染がコントロールできないなどの理由で手術を行う場合があります。手術は内視鏡的治療(デフラックス注入療法)、開放手術(下腹を切る手術)、腹腔鏡手術があります。

尿路結石

尿路結石症とは、腎臓結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石の総称のことで、成人病に数えられている病気ですが、小児ではウイルス性腸炎の後などに出来ることがあります。また、抗てんかん薬やステロイド剤を内服しているお子さんや、尿路奇形や高カルシウム尿症などの病気から生じることがあります。症状としては、腎臓で作られた結石が、尿管(腎臓と膀胱をつなぐ細い管)を通る時の刺激で、お腹が痛くなったり、尿が赤くなったりします。また、発熱を伴う尿路感染症の原因になります。小さな結石であれば、水分をしっかり取れば、自然に体外に出てくる可能性があります。しかし、大きな結石であればその可能性は低いため、手術を行う場合があります。当院では、尿路結石に対して、経尿道的結石破砕術を行っています。細い内視鏡をペニスから挿入し、結石を確認、レーザーで細かく砕いた後に、砕いた石を回収します。手術時間は2時間前後です。

診療体制


診療体制

入院手術は月曜日全日、火曜日午後、水曜日全日に、日帰り手術は木曜日午前に行っています。木曜日以外の午前中に外来診療を、金曜日午後に二分脊椎外来を行っています。


診療統計

2019年の診療実績
初診患者数 876
再診患者数 5266
手術件数 461
(内訳)
停留精巣および遊走精巣 115
尿道下裂 62
膀胱尿管逆流(開腹) 51
膀胱尿管逆流(デフラックス) 5
膀胱尿管逆流(腹腔鏡) 3
水腎症(開腹) 7
水腎症(腹腔鏡) 2
2018年の診療実績
初診患者数 892
再診患者数 5142
手術件数 500
(内訳)
停留精巣および遊走精巣 133
尿道下裂 60
膀胱尿管逆流(開腹) 59
膀胱尿管逆流(デフラックス) 0
膀胱尿管逆流(腹腔鏡)      3
水腎症(開腹) 6
水腎症(腹腔鏡) 13
2017年の診療実績
初診患者数 757
再診患者数 4982
手術件数 474
(内訳)
 停留精巣および遊走精巣 160
 尿道下裂 60
 膀胱尿管逆流(開腹) 49
 膀胱尿管逆流(デフラックス) 4
 膀胱尿管逆流(腹腔鏡) 4
 水腎症(開腹) 5
 水腎症(腹腔鏡) 12
2016年の診療実績
初診患者数 729
再診患者数 4407
手術件数 405
(内訳)
 停留精巣および遊走精巣 143
 尿道下裂 44
 膀胱尿管逆流(開腹) 46
 膀胱尿管逆流(デフラックス) 7
 膀胱尿管逆流(腹腔鏡) 3
 水腎症(開腹) 10
 水腎症(腹腔鏡) 5
連絡先 連絡先:兵庫県立こども病院 泌尿器科
住所:〒650-0047 神戸市中央区港島南町1丁目6-7
電話(078) 945-7300(代表)
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