お知らせ
お知らせ一覧-
2018.04.26 兵庫県アレルギー疾患医療拠点病院に指定されました。
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2018.04.01 小児アレルギー疾患センターが設立されました。
- 2016.05.26 日本小児臨床アレルギー学会認定 小児アレルギーエデュケーター認定
診療時間
午前 9:00~12:00 午後 13:00~16:30
連絡先
住所:〒650-0047 神戸市中央区港島南町1丁目6-7
電話(078)945-7300(代表)
診療の特色
対象疾患
- 食物アレルギー(アナフィラキシー・新生児・乳児消化管アレルギー・口腔アレルギー症候群・食物依存性運動誘発アナフィラキシーなど)
- 気管支喘息
- アトピー性皮膚炎・接触性皮膚炎・蕁麻疹・血管性浮腫
- アレルギー性鼻炎・花粉症
- ラテックスアレルギー・金属アレルギー・薬剤アレルギー
現在、わが国では約2人に1人に何らかのアレルギー疾患にかかっていると言われています。そのような状況に総合的な対策を講ずるため、「アレルギー疾患対策基本法」が成立しました。当院は平成30年度より制度開始となった兵庫県アレルギー疾患医療拠点病院に指定され、小児アレルギー疾患センターにおいてアレルギー疾患の診断や重症化の予防、患者さんの生活の質の改善など、よりよい医療を提供できることをめざしています。
アトピー性皮膚炎・食物アレルギー・気管支喘息・花粉症などのアレルギー疾患はお互いに関連しています。その悪循環をたちきるために、当科ではトータルケアを行っています。
アレルギー疾患の中でも特に食物アレルギーを有するお子さまが増えています。アレルギーがあるかどうかの正確な診断や摂取できるようになったかどうかの確認には食物負荷試験が必要となりますが、当科では重症度によらず、必要な方には検査をさせていただいております。
アレルギーは原因物質に体に入ってきたときにアレルギー反応を起こす疾患で、治療のほとんどはその起こりうる反応を抑える目的で行われています。現在ではアレルギー反応自体を起こさせないための根本的な治療として、免疫療法があります。当科ではスギやダニに対する免疫療法(舌下法、皮下法)を行っています。近年重症アレルギー疾患へ生物学的製剤が登場し効果が認められています。当院でも適応と思われる患者様には実施し効果を実感しています。
疾患と症例
食物アレルギー
食物アレルギーでは正確な診断が必要になります。これまで食品を摂取したことがあるかどうか、アレルギー症状が起こったことがある場合は、どのような食品をどのくらい食べて、どのような症状が出たのかということが重要です。診察の際にお伺いしますので、あらかじめ情報をご用意ください。
血液検査や皮膚テストを参考にし、必要時には外来(水曜日、木曜日)・入院食物負荷試験(月~金曜日)を行って診断します。これは食物アレルギーがあるのかどうかを診断するだけではなく、食物アレルギーが治ってきたかどうかを判断するときも同様に診断します。それらの情報をもとに、食品摂取の制限が必要最小限になるようにしています。
食物を誤って食べてしまったときに重篤な症状がおきる危険性のあるお子さまには、アドレナリン自己注射の所持をお勧めしております。
重症の食物アレルギーを持つお子様に対して、経口免疫療法を臨床研究として行っております。
気管支喘息
気管支喘息の治療には、発作時の治療、予防の治療があり、予防の治療が重要となります。
お子さまの喘息の最終ゴールは寛解(風邪をひいたときや運動をしても軽微な症状がなく、呼吸機能検査でも異常がない状態が長期に続くこと)です。明らかな発作がなくても、運動時の咳や感冒時の長引く咳などがある場合は、気道過敏性が高まっている可能性があります。このような状態が続くと、気道にアレルギーの炎症が持続することが想定され、将来の肺機能の低下のリスクがあります。
治療を行うことで、このような気道過敏性や呼吸機能検査の異常値をしっかりコントロールされている状態をめざし将来「悪い肺」になることを予防したいと考えています。
治療方法は吸入ステロイドや飲み薬が中心となります。それぞれメリット、デメリットがありますので患者さまと一緒に考えていきます。
近年喘息に対する生物学的製剤が登場し、治療の選択肢も増えてきています。それぞれのお子さまにあった治療法をご提案します。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は乳児期から発症し、非常に痒く日常生活に支障を来します。また重症アトピーではかゆいだけではなく、脱水や電解質の異常など緊急性のある状態や成長障害を伴うこともとあります。さらに、近年皮膚バリア機能の低下によって、食物アレルギーなどアレルギーの発症/増悪の原因となることが分かってきました。
皮膚の炎症をしっかり抑えることでお子さまの健やかな生活を取り戻すだけではなく、皮膚のバリアを保つことでアレルゲンが皮膚から体内に侵入することを防ぎます。そのためスキンケアが非常に重要となります。スキンケアは「洗って、保湿」を行うことで肌を良好な状態に保ちつつ、湿疹部位にはステロイド外用剤など炎症を抑える外用剤で「つるつる、すべすべ」にすることが重要です。中途半端な治療は却って良くありませんので、まずはしっかりきれいにしてしまう(=寛解)を目指します。その後、悪化させないよう、スキンケアで維持していきます。
スキンケアの方法については医師やアレルギー診療に精通した看護師(PAE:小児アレルギーエデュケーター)から日常生活のなかで無理なくスキンケアが効果的に行うことが出来る方法を丁寧に説明させていただきます。
難治性アトピーに対する生物学的製剤(15歳以上)の投与も行っております。
アトピー性皮膚炎を持つお子様が、痒みの無い健やかな生活を送ることが出来るよう、精一杯支援させていただきますので是非ご相談ください。
アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎の症状は、鼻水、鼻づまり、くしゃみが主な症状です。ダニやペットなど通年性のアレルゲンによっておこる通年性と、スギなど季節性に分かれます。通年性、季節性両者を合併することもよくあります。
国民病と言われるほどスギ花粉症などのアレルギー性鼻炎は大人だけではなく、近年お子さまでも低年齢化し、大幅に増加しています。
アレルギー性鼻炎はその症状で困るだけでなく、お子様のパフォーマンスにも影響すると言われています。当院ではお子様の日常生活のみならず、将来を見据えてアレルギー性鼻炎の治療をお勧めしています。
中でもアレルゲン免疫療法は体内にわざとアレルゲンを投与し、体がアレルゲンに反応させないようにする治療で、より根本的な治療であり、これからの将来のあるアレルギー性鼻炎を持つお子様には是非やってほしい治療です。方法として舌下法、皮下(注射)法があり、近年舌下法が注目され、当科でも大幅に治療を行う患者様が増加しています。
皮膚テスト
食物アレルギーや接触性皮膚炎、金属アレルギー、薬剤アレルギーなどの検査として、プリックテストやパッチテストなどの皮膚テストを行うことがあります。
呼吸機能検査・呼気中NO測定
喘息の診断やコントロール状況をみるために行います。
診療体制
【食物負荷試験のスケジュール】
外来(水曜日、木曜日)
9:30 | 診察後、食品摂取(自宅からご持参いただいた食品を摂取していただきます。) アレルギー症状がでないかどうかを観察します。 ★アレルギー症状出現時の頓服も一緒にご持参ください。(注射・点滴などは外来で準備があります) |
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11:00以降 | 症状がなければ診察終了。 (症状が強くでた場合は、観察の継続や救急外来受診、入院となることがあります。) |
入院(月から金まで)
9:00 | 診察 |
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10:00~11:30 | 食品摂取(たまこな®、固ゆで卵、茹で素麺、牛乳は提供します。その他食品は自宅からご持参いただいた食品を1〜2回に分けて摂取していただきます。) 症状がでないかどうかを観察します。 |
12:30 | 昼食(症状がなければ、給食を食べます。) ・必要に応じて栄養士より栄養指導があります。 ・薬剤師より、アレルギー症状出現時の対応・薬剤についてお話しさせていただきます |
13:00以降 | 退院決定(アレルギー症状がなければ診察終了となります。) 症状が強くでた場合は入院継続になることがあります。 |
その他
アレルギー専門看護師や管理栄養士、薬剤師がご相談にお答えしたり、アレルギー疾患の治療や食事の仕方について詳しくお話しさせていただきます。
スタッフ
アレルギー専門看護師や薬剤師、管理栄養士など多職種のスタッフでサポートいたします。
外来診察担当医
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
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午前 | - | 担当医 | 外来食物負荷試験 担当医 | 外来食物負荷試験 担当医 | 担当医 |
午後 | 担当医 | 担当医 | 担当医 | 担当医 | 担当医 |
再診される際の注意:診察の前に問診票をご記入いただくことがあります。ご相談内容によって時間がかかることが予想される場合やご来院が遅くなられた場合には、診察順番が変わったり途中でお待ちいただくことがございます。
皆様の待ち時間を少なくできますよう、ご協力をよろしくお願い申し上げます。
診療実績
2023年度(2023/4-2024/3)
- 食物経口負荷試験 469件
- 外来患者 4382名
- 新規患者 134名
食物アレルギー | 315名 |
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アトピー性皮膚炎 | 284名 |
気管支喘息 | 304名 |
アレルギー性鼻炎 | 421名 |
薬剤アレルギー | 5名 |
じんましん | 62名 |
医療関係者の方へ
地域の先生方と密に連携させていただき、アレルギー疾患の治療を行っております。
- 食物アレルギー全般(経口食物負荷試験は入院/外来で行っており、重症例における経口免疫療法も行っています)
- 環境アレルゲン免疫療法(舌下法、皮下法)の導入
- アトピー性皮膚炎のコントロールに困る症例
- 喘息コントロールに困る症例
- 難治性蕁麻疹、薬剤アレルギー
など、是非ご紹介ください。
近年生物学的製剤が新しく小児適応となっており一段と良いコントロールが期待できるようになりました。
先生方と一緒にアレルギーに悩む子の健やかな成長に貢献できればと願っています。
ご相談を急がれる場合には、田中まで直接お電話ください。
尚、緊急性が高い状態(喘息発作やアナフィラキシーなど)への対応は、救急総合診療科の救急が窓口となります。
当科は日本アレルギー学会教育研修施設です。