診療科・部門・センター
小児がん医療センター

小児がん拠点病院としての当院の取り組み

小児の血液腫瘍性疾患の診断・治療には専門的な知識や技術、設備などが必要です。当院は平成25年2月に厚生労働省の定める小児がん拠点病院に指定され、平成26年4月には小児がん医療センターを開設しました。これにより小児がんの患者に、よりきめ細かな集学的治療の提供と他施設との連携強化を推進してまいります。また、当院は近畿ブロックの小児がん拠点病院の中で最も西に位置することから、中四国地方の病院とも積極的に連携を図っており、難治例の紹介を受け入れています。

集学的治療の提供

固形腫瘍においては週に1~2回、血液・腫瘍内科、小児外科、脳神経外科、放射線科、病理科などの医師が参加する腫瘍カンファレンス(Tumor Board)を開いています。それぞれ専門的な立場からディスカッションを行い、各科の総意の下に治療方針を決定します。また併設する小児救急医療センターと連携することにより、いかなるoncologic emergencyへの対応も可能であり、症例によってはPICUに収容したまま化学療法を開始することもあります。

疾患・実績・統計等

2014年の新規症例数は165例(うち白血病・神経芽腫等の悪性腫瘍は76例)で全国でも有数の症例数を誇っています。難治例については造血細胞移植も考慮します。
専用の完全無菌室2床を用い(新病院では4床に増床)、2009年以降は概ね年間20例前後の移植を施行しています。
当院では2003年に骨髄移植推進財団および日本さい帯血バンクネットワークの移植認定施設となりましたが、これ以降の移植件数は延べ211件です。

新規小児がん患者数推移

診療実績

平成24年平成25年平成26年
造血器腫瘍27件39件33件
 ALL13件15件6件
 AML5件6件3件
 CML0件1件1件
 まれな白血病0件0件0件
 MDS/MPO6件3件3件
 非ホジキンリンパ腫0件4件8件
 ホジキンリンパ腫0件0件0件
 その他のリンパ増殖性疾患0件0件1件
  組織球症 HLH1件6件8件
  組織球症 LCH1件1件2件
 その他の組織球症0件0件0件
 その他の造血器腫瘍0件0件0件
 ダウン症TAM登録1件3件1件
固形腫瘍43件44件43件
 神経芽腫瘍群7件3件5件
 網膜芽腫5件5件7件
 腎腫瘍3件1件3件
 肝腫瘍3件1件3件
 骨腫瘍2件2件2件
 軟部腫瘍1件3件2件
 胚細胞腫瘍2件6件6件
 脳・脊髄腫瘍17件16件14件
 その他3件7件1件

造血細胞移植定例数の年次推移

がん相談支援室

当院では、がんと診断されたお子さまとご家族のご不安やお悩みに対応するため、「がん相談支援室」を設置しております。

看護師、医療ソーシャルワーカーの相談員を中心にご相談に対応させていただきます。ご相談の内容によっては、日時を決めて医師などの担当者におつなぎします。

病気や治療のこと、医療費のことや生活のこと、学校など社会生活のこと、きょうだいなど家族への対応のこと、晩期合併症や長期フォローアップのことなど、お悩みに応じてご相談をお受けいたします。「気持ちの整理がつかない」、「話を聞いてほしい」など不安なことがおありの際もお気軽にご相談ください。 

また、当院を受診していないがんと診断されたお子さまやご家族、がんと診断されたお子様やご家族を支援する医療機関の方々からの相談もお受けしています。
相談をご希望の方は、直接窓口にお越しいただくか、お電話でお問い合わせください。なお、費用は発生いたしません。

担当小児看護専門看護師、医療ソーシャルワーカー、血液・腫瘍内科医師
電話番号078-945-7300(代表)
相談形式対面相談、電話相談、メール相談
※メール相談の対象者は、当院を受診されていないお子様とご家族となります。
お急ぎの場合はお電話でお願いいたします。
ご相談の内容によってはお電話もしくは対面での相談対応をさせていただく場合がございます。
相談時間月曜日~金曜日、9:00~17:00(祝祭日を除く)

書籍、各種パンフレットなど揃えております。入院中の患者様、ご家族の方には書籍の貸出もしております。
お気軽にお立ち寄りください。

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