連絡先
住所:〒650-0047 神戸市中央区港島南町1丁目6-7
電話(078)945-7300(代表)
部門の紹介
かけがえのないこどもたちの「いのち」を守り、健全な発育を促進するために、検査部は検査データの発信基地として、365日24時間、正確で迅速に診療現場に報告できる体制を取っています。
また検査データは患者さんの状態を知る上で大変重要です。常に検査の知識や技術の研鑽に励み、信頼される良質なデータの提供に取り組んでいます。
こどもは採血が難しいため、少ない血液で必要な検査ができるように努力しています。
超音波検査士、細胞検査士、認定輸血検査技師、認定血液検査技師、認定骨髄検査技師、日本糖尿病療養指導士等、各種学会認定資格を取得した技師を配置しています。
ISO 15189について
こども病院の検査部は2021年1月、ISO 15189の認定を取得しました。ISO 15189とは臨床検査に特化した国際規格であり、日本国内では日本適合性認定協会によって審査が行われます。兵庫県立こども病院は、小児専門施設としては全国で3施設目の認定取得となりました。患者さんに良質な医療を提供するためには、精度の高い検査データは欠かせません。高度で専門的な小児医療のために、また小児がん拠点病院、がんゲノム医療連携病院の検査部として、今後も品質マネジメントシステムの維持向上に努めたいと考えています。
検査後の残余検体について
検査部では、患者様の血液や尿などの検体を用いていろいろな検査をしています。検査後の検体は、通常は破棄しますが、その一部を精度管理、品質管理および教育など、医療の質の向上のために使用させていただきます。残余検体を使用するため、通常の検査のための採血量が増えることはありませんし、費用負担もありません。使用の際は、匿名化するため個人情報が漏れることはありません。
この残余検体の使用を拒否される方は、下記までご連絡ください。ご連絡いただいた方の検体は使用いたしません。なお、このことによって不利益を被ることはありません。ご連絡のない場合は、ご了承いただいたものと判断し使用させていただきます。
ご協力のほどよろしくお願いいたします。
連絡先:兵庫県立こども病院 検査技師長
神戸市中央区港島南町1-6-7
電話:078-945-7300
業務内容
生化学一般検査
生化学・免疫検査室は患者様の体の状態を把握するために、様々な血液中の成分量を測定しています。
患者様の血液成分の測定結果を知ることにより疾患の確定や病状把握が可能となります。
- 総蛋白、アルブミン、電解質などは栄養状態の指標として有用です。AST、ALT、コリンエステラーゼなどは肝臓の状態を示し、尿素窒素やクレアチニンは腎臓の機能を評価します。
- 「新生児黄疸」の原因は「アルブミン非結合ビリルビン」の増加により起こり、その早期発見のために特殊試薬を用いて測定しています。
- CRPは炎症の存在や程度を調べるために測定します。
- B型およびC型肝炎ウイルスの検査、甲状腺ホルモン等の検査を行なっています。
一般検査室では尿と便を主な材料として検査を行っています。
尿は血液のように痛い思いをしなくても簡単に採取できる検体ですが、多くの情報が含まれています。それは尿が体中をめぐっている血液を腎臓でこして作られるためです。
検査結果は尿を作っている腎臓や貯蔵している膀胱の病気だけではなく、他のいろいろな病気の診断・治療方針を考えるうえで重要な目安となります。
血液輸血検査
血液検査室では血液中の赤血球、白血球、血小板の数、ヘモグロビン濃度の測定、白血球の分類、手術前や出産前後の凝固機能や、経口抗凝血薬の有効性を調べる検査を行います。
また、骨髄液中の細胞の数と分類によって、白血病の診断、腫瘍の骨髄転移などを調べます。
輸血検査室では安全に輸血するために血液型検査、交差適合試験、輸血した赤血球を壊す抗体がないかどうか調べる不規則抗体検査を行います。また、母児間血液型不適合を直接クームス試験、間接クームス試験で調べます。
新生児など、少量の血液製剤を安全に輸血するために血液製剤を無菌的に分割します。 この他に輸血用血液製剤の手配や保管、輸血記録の保存を行っています。
遺伝子検査
遺伝子検査室では患者さんから採取された検体中に、目的とするウイルスや微生物が存在するかどうかをポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction:PCR)という原理を利用して調べます。当院では、新型コロナウイルスやクラミジアなどのPCR検査を行っています。
生理検査
心臓は全身に血液を巡らせるポンプの働きをしています。このポンプが規則正しくリズムを刻んでいるか調べる心電図検査、運動することでリズムに乱れがないかを調べるトレッドミル検査、心臓の構造やポンプ機能を調べる心臓超音波検査などを行い、心臓の状態を調べます。
そのほか、脳の活動状態を調べる脳波検査、耳の聞こえや、目の見えを音や光で刺激しその反応を脳の活動で調べる誘発電位検査、手足の指を動かす神経の状態を調べる神経伝導速度検査、一回最大呼吸量を調べる肺機能検査、睡眠中の呼吸状態を調べる簡易睡眠時無呼吸検査などを行っています。
乳幼児の患者さんには主治医の判断により眠剤を飲んでいただき、眠った状態で検査する場合があります。質問などございましたら、お気軽に声をおかけください。
微生物検査
感染症が疑われる患者より採取した喀痰や尿、便、血液などから感染症を引き起こす細菌の有無を調べます。病原性の高い細菌が見つかった場合は細菌の種類を決める同定検査と、細菌に対して有効な薬剤を調べる薬剤感受性試験を実施します。 検査は以下の手順で実施しています。
1. 塗抹検査
スライドガラスに検体を塗り、グラム染色という染色方法を行い標本作製します。 顕微鏡を用いて標本を観察し、色や形状などから微生物の種類を大きく分類します。
2. 培養検査
様々な種類の「培地」と呼ばれるものに検体を塗り、細菌を培養して増殖させます。 大多数の細菌が増殖できる非選択培地と、目的の細菌のみ増殖できる選択培地を組み合わせることにより、種類の異なる細菌を分離することが出来ます。
3. 同定・薬剤感受性検査
培養した細菌の生化学的性状により、細菌名を確定することを同定検査と呼びます。また、同定された細菌に対して有効な薬剤を調べる検査を薬剤感受性検査と呼びます。当院では主に写真に示す全自動細菌分析装置を用いて同定・薬剤感受性検査を行っています。
病理検査
病理組織検査
手術や生検によって採取された組織を特殊な処理をして3μm程の厚さに切り、その薄く切った切片を染色液で染め、顕微鏡で組織を観察し病理医が診断するための標本を作っています。
検体の部位や疾患により、特殊な染色を行います。
また手術中にすぐ結果を報告する術中迅速検査も行っています。
細胞診検査
胸水・腹水などの体腔液や髄液を遠心して細胞を集め、スライドガラスに塗抹して染色液で染め、それを顕微鏡で観察して異常な細胞がないかを調べる検査を行っています。