診療科・部門・センター
薬剤部

住所:〒650-0047 神戸市中央区港島南町1丁目6-7
電話(078)945-7300(代表)

部門の紹介

ここでは私たち薬剤部の紹介をします。薬剤部では「薬のエキスパート」として患者に安全で適正な薬物療法を提供することを使命とし、次のことを行っています。

  1. 医師の処方に基づく調剤
  2. チーム医療の一員として医薬品の適正使用の推進
  3. 服薬指導(薬剤管理指導)
  4. 医薬品等の情報提供
  5. 医薬品の管理業務
  6. 医薬品に関する医療事故防止対策の徹底

業務内容

調剤

調剤とは、医師の発行した処方箋に基づいて薬剤師が薬をつくることを言います。

薬剤師は、調剤を行う前に必ず医師の発行した処方箋の内容、薬の量、飲み方、相互作用などについてチェックを行い、その内容に疑問があれば医師に問い合わせ(疑義照会)を行ってから調剤しています。

調剤は細心の注意を払い、複数の薬剤師が鑑査を行ってから薬をお渡ししています。

注射

注射薬の使用上の安全性を高めるため、患者ごとに注射箋(注射用の処方箋)をチェックし、注射薬のセット(取り揃え)を行い、鑑査した後に病棟・外来へ払い出しています。

注射薬調剤では、次のことをチェックして行っています。

  • 注射薬の配合変化
  • 投与量(体の大きさ(体表面積・体重)・年齢)
  • 投与経路
  • 投与速度
  • 投与回数・日数

抗がん剤のレジメンチェック

抗がん剤は決められたスケジュール(レジメン)に従って投与されます。薬剤部では、小児がんのレジメンを把握し、レジメンに従って抗がん剤が安全かつ適正に投与されるようスケジュール表や処方箋をチェックし、抗がん剤の取り揃えを行っています。

注射薬の無菌調製

抗がん剤や高カロリー輸液の一部については、安全キャビネット及びクリーンベンチという設備の中で、薬剤師2名によるダブルチェックのもと、安全かつ無菌的に混合調製を行っています。

製剤

当院では、市販されていない製剤(予製剤と特殊製剤)を調製しています。

予製剤とは

たとえば、錠剤やカプセルしか販売されていない薬を、粉砕したりカプセルの中味を取り出して散薬を予め作成しています。その際、お子さまが飲みやすいように乳糖で甘味をつけたり、白い粉は他の散薬と区別するために食紅で色づけするなど工夫をしています。

特殊製剤とは

治療に有効であるが販売されていない薬を病院で調製することです。医師の依頼に基づき、院内で承認を得たのち、適切な製法・貯法・用法・有効期限などを薬学的見地から検討して作成します。

病棟薬剤

各病棟に病棟担当薬剤師が常駐し、入院中の患者により安全で質の高い薬物療法を提供することを目的としてさまざまな業務を行っています。

個々の患者にあった投与量等を計算して医師に処方提案すること、注射薬の投与速度や投与ルート、配合変化の確認などを行っています。

持参された薬を鑑別し、必要があれば代替薬の提案などを行います。また、薬物治療計画のチェック、カンファレンスへの参加や回診への同行など、他の医療スタッフとコミュニケーションを図りながら医薬品の適正使用に取り組んでいます。

薬剤管理指導

当院では入院中に患者やご家族の方に対して、現在飲まれている薬がどんな薬であるか知って頂き、正確に飲んで頂けるように、薬の飲み方、効き目、副作用の初期症状などについて薬剤師が説明を行っています。

また飲まれている薬の服用歴の作成により、薬の重複投与や相互作用のチェックを行ったり、患者やご家族の方から副作用、アレルギー等の聞き取りを行うなど、一人一人の状態に合わせて安全で適正な薬物療法が行われるように支援しています。

退院が近くなれば退院指導を行います。退院後はご家族の方がお子さまに薬を飲ませられるので、以下の項目を中心に指導しています。

  • 服用の大切さ、服用中の注意点をご家族の方だけでなくお子さまにも分かりやすい表現や言葉で説明しています。
  • 苦い粉薬が処方されている場合などは小さなお子さまにも飲みやすい工夫を説明しています。
  • 飲み忘れた時などの対応を説明しています。
  • 幼稚園や学校などお子さまの日常生活のリズムに合わせた服用時間を説明しています。
  • お薬のリストや説明書をお渡ししています。
  • 次回外来時に調剤薬局で円滑にお薬をもらうことができるように院外処方箋について説明しています。

医薬品管理・医薬品情報活動・チーム医療への参画

医薬品は、温度・湿度・遮光の必要性など適正な条件で保管しなければなりません。薬剤部では、部内はもとより病棟や外来、手術室など院内にある医薬品の有効期限や保管状況を定期的にチェックし、その品質管理に努めています。

また、麻薬や向精神薬及び毒薬などは法律に基づき、より厳重な管理が必要です。薬剤部では、院内にあるそれらの薬品の保管状況について常にチェックを行い、必要事項について指導を行っています。

さらに、医薬品の採用や削除など医薬品のすべてに関する審議が行われる薬事委員会の事務局として、医薬品情報の審議資料の作成などを行い、医薬品の適正使用の推進を図っています。

医薬品情報活動

医薬品が安全かつ適正に使用できるよう厚生労働省、製薬会社、卸業者から医薬品情報を収集・整理・保管するとともに、薬学的評価を行い、院内ネットワークを用いて医師や看護師など医療スタッフに、迅速に情報を提供しています。また副作用が発現した場合、厚生労働省や製薬会社に報告を行っています。

提供している情報

  1. 緊急安全性情報(イエローレター)
    医薬品の安全性に関しての緊急かつ重要な情報を伝達する文書で、緊急に安全対策措置を取る必要がある場合に製薬会社から提供される情報
  2. 医薬品・医療機器等安全性情報
    厚生労働省において収集された副作用情報をもとに、医薬品・医療機器等のより安全な使用に役立てるために厚生労働省から提供される情報
  3. 製薬会社からのお知らせ
    医薬品の効能の追加、回収、新薬に関する情報など製薬会社から提供される情報
  4. 診療に役立つ情報
    医師・看護師・患者からの医薬品に関する問い合わせに対応できるような資料
  5. Q&A
    医師・看護師からの質問やそれに対する回答

チーム医療への参画

感染対策チーム(ICT)、抗菌薬適正使用支援チーム(AST)、緩和ケアチーム、がん化学療法チーム、腎臓病チーム等のカンファレンス、回診に参加し、薬剤師の視点から薬物療法を支援しています。

指導・専門・認定薬剤師

(R5.5.1現在)
日本病院薬剤師会日病薬病院薬学認定薬剤師3名
日病薬認定指導薬剤師1名
がん薬物療法専門薬剤師1名
がん薬物療法認定薬剤師1名
感染制御認定薬剤師1名
日本薬剤師研修センター認定実務実習指導薬剤師5名
小児薬物療法認定薬剤師3名
日本静脈経腸栄養学会栄養サポートチーム専門療法士1名
日本医療薬学会医療薬学専門薬剤師1名
日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師3名
日本骨粗鬆症学会骨粗鬆症マネージャー1名

院外処方箋について

病院や診療所で処方箋をもらった場合は、「かかりつけ薬局」を決め、すべて一つの薬局でもらうようにすることをおすすめします。一つの薬局ですべての薬をもらうことで、病院からのお薬以外にも市販の薬やサプリメントなど、現在服用しているすべての薬が把握でき、専門的な立場で飲み合わせのチェックや市販薬を含めたさまざまな相談に応じてもらえます。

かかりつけ薬局では薬歴簿(今までの薬の服用の記録)をつけ、同時に過去にアレルギーなどの副作用が出た薬を記録し、今回出された薬が安全かどうかをチェックしています。

当院では院外処方箋推進のために、患者向けパンフレットを作成していますのでご覧ください。

院外処方せんについて 患者様向けパンフレット