褥瘡とは
褥瘡(じょくそう)とは、持続的な圧迫やずれによる血流障害により生じる皮膚損傷です。一般的には高齢者の寝たきりの患者にできるものと思われていますが、医療の高度化・複雑化によって重症な患者が多くなり、年齢に関係なくできる可能性があります。当院は急性期の小児病院であり重篤な患者も多く、また小児は皮膚が薄く外力に対して弱いため、褥瘡のリスクが低いとは言えません。
褥瘡対策チームとは
チーム医療とは、各領域の専門職がチームをつくり、それぞれの専門性を活かして共同で行う医療です。褥瘡対策には創の治療だけでなく、圧迫・ずれの予防、スキンケア、栄養管理など総合的なアプローチが必要です。褥瘡診療に関わるすべての医療従事者が連携し、相互に学びながら褥瘡の予防と治療に取り組んでいます。
チーム概要
平成14年度の診療報酬改定より『褥瘡対策未実施減算』が新設され、これを受けて当院褥瘡対策チームが発足され「院内の褥瘡対策及び創傷ケアを検討し、トータルケアを行うことにより、創傷ケアの効果的な推進を図る」ことを目標に活動を開始しました。
構成メンバー
- 医師 2名 (形成外科 集中治療科)
- 看護師 18名(2名は皮膚・排泄ケア認定看護師)
- 薬剤師 1名
- 管理栄養士 1名
- 検査技師 1名
業務内容
褥瘡対策委員会の会議を月に1回行い、院内の褥瘡褥瘡発生率、褥瘡推定発生率、褥瘡有病率、褥瘡リスクアセスメント実施数、褥瘡ハイリスク患者特定数、褥瘡予防治療計画件数、褥瘡ハイリスク患者ケア実施件数、褥瘡発生者詳細について、褥瘡対策委員で情報を共有し、褥瘡ケアの評価や対策の検討をおこなっています。
褥瘡対策の必要な患者の回診とカンファレンスを週1回実施し、褥瘡予防、治療方法を評価・検討しています。
スタッフに向けての院内褥瘡勉強会を開催しています。
各病棟に褥瘡対策委員が配置されており、病棟内の褥瘡対策が適切に行えるようスタッフへ助言指導しています。
褥瘡ハイリスク患者ケア加算を導入しており、皮膚・排泄ケア認定看護師が専従となり褥瘡対策にかかわっています。皮膚・排泄ケア認定看護師はケアプランの計画や処置方法についての介入を行っています。