兵庫県立こども病院では、入院されるお子様に対して、入院前のワクチン接種をお願いしています。
ワクチン接種により予防できる感染症には水ぼうそう、はしか、百日咳、おたふくかぜなどがあります。これらは適切な時期に適切な回数のワクチン接種をすることで、罹患・重症化を防ぐことができます。
入院中にこれらの感染症を発症すると、
- 原則、予定していた手術・検査が延期になります。
- 周りのお子様にうつしてしまうことがあります。
当院にはさまざまな基礎疾患のために免疫が低下していてワクチンを受けることができず、感染症にかかると重症化したり、時に亡くなってしまう子供たちが入院しています。また症状が出る前から周りの人へ感染することがあるため、病気が知らないうちに病院内に広がってしまう可能性があります。
手術・検査を予定通り受けるために、
そして入院中の子供たちを感染症から守るために、 ワクチン接種をお願いします。
対象
免疫に異常がないお子様
- 下記に該当するお子様は対象外です。ワクチン接種前に必ず主治医とご相談ください。
- 免疫不全症、またはその可能性がある
- 悪性腫瘍の治療中
- 生物学的製剤による治療中
- 免疫抑制剤・副腎皮質ステロイドによる治療中
ワクチン接種の推奨時期
以下の理由から、ワクチン接種から入院までは以下の期間を空けることを推奨します。
- ワクチン接種した後、免疫を獲得するまでには数週間必要です。しっかりワクチンが効いた状態で入院・手術を受けるのが望ましいでしょう。
- ワクチン接種後すぐに手術や麻酔を受けると、免疫が抑制されることにより接種したワクチンの効果が不十分になる可能性があります。
- ワクチン接種後に発熱することがあります。正常な身体の反応ですが、かぜや感染症による発熱と判別がつきにくく、手術・検査を延期せざるを得ないこともあります。
ワクチンの種類 | ワクチン接種から入院までの推奨期間 |
---|---|
麻疹風疹混合(MR)ワクチン、水痘ワクチン、おたふくかぜワクチン | 3週間 |
ロタウイルスワクチン、BCG、新型コロナウイルスワクチン 全ての不活化ワクチン インフルエンザ菌 b 型(Hib)ワクチン、肺炎球菌ワクチン、 B 型肝炎ワクチン、 4種混合ワクチン(DPT‒IPV)(ジフテリア,百日咳,破傷風,不活化ポリオ) 3種混合ワクチン(DPT)、2種混合ワクチン(DT) 日本脳炎ワクチン、インフルエンザワクチン ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン など | 2週間 |
予定入院前のワクチン接種期限
主治医に確認の上、入院日の3日前までにワクチン接種を進めてください。
例)月曜日に入院する場合、金曜日までに接種していれば問題ありません。時間帯に制限 はありません。
緊急入院・緊急手術の場合
病状により緊急入院・緊急手術が必要な場合は、直前にワクチンを接種していた場合でも、原則として入院・手術は延期しません。
退院後・手術後のワクチン接種
退院後・手術後のワクチン接種は、体調に問題がなければいつでも可能です。
ただし大量輸血を受けた場合、ヒト免疫グロブリンを投与された場合は、より⻑期間の間隔をあける必要があります。主治医にご相談ください。