外来案内
日帰り手術のご案内

はじめに

日帰り手術は、麻酔科診察日(手術前日)と手術当日の朝に病院に来ていただき、手術や検査を行った後、夕方までには帰宅していただくものです。2日間の来院が必要となりますが、お子様が病院で寝泊まりするストレスがなく、保護者の入院にかかる準備などがなくなること、入院費用を削減できるといったメリットがあります。

小児の場合、安全安楽に手術や検査を行うには、全身麻酔を必要とします。これによって、お子様は眠っている間に手術や検査を受けることができます。
麻酔は、当院で麻酔を専門にしている医師(麻酔科医)が実施します。

日帰り手術の対象となる主な疾患

診療科適応疾患
一般外科鼠径ヘルニア、臍ヘルニア、皮様嚢腫、内視鏡(消化器、気管)
泌尿器科停留精巣、遊走精巣、陰嚢嚢腫、包茎、膀胱内視鏡検査
歯科カリエス処置、埋伏歯、上唇小帯付着異常、粘液嚢胞
眼科眼瞼内反症、霰粒腫、術後の抜糸
形成外科母斑、血管腫、副耳、耳瘻孔、多合指症、舌小帯短縮
整形外科弾発指、術後の抜糸
耳鼻科鼓膜チューブ挿入、鼓膜切開、鼓膜閉鎖

上記の疾患以外に入院生活が困難なお子さま(精神発達遅延、自閉症、親離れが全く不可能な児など)に関しては、各診療科の医師と相談して、日帰り手術が可能かどうかを決めています。

また、以下の場合は日帰り手術を受けて頂けない場合がありますので、ご注意ください。
  • 自宅が遠方(片道2時間以上かかる)の場合、帰宅途中に吐く等体調不良に繋がる事がありますので、入院されるか近隣でのご宿泊を手配頂く必要があります。
  • ご兄弟同伴でご来院の場合、日帰り手術室や待合室では、手術を受ける方の安静と安全が優先となりますので、同胞の方が待合室で過ごされる際は、いくつかの注意点がございます。また、手術後の回復室では、お子さまの付き添いが必要となります。回復室入室は16歳以上の方に限らせて頂いているため、同胞の方を待合室で見て頂ける方が必要となります。

麻酔

小児における日帰り手術の多くは、全身麻酔が必要となります。全身麻酔とは、患者に麻酔薬を投与し、意識を完全になくし、痛みも記憶もない状態にすることで、お子さまには手術中の苦痛がありません。当院では手術に伴う麻酔はすべて「麻酔科医」が担当しています。

手術前日

手術までに麻酔科医が麻酔の説明を行います。通常は手術の前日に、日帰り手術室の診察室で麻酔科医による診察と説明、手術室看護師によるオリエンテーションを受けていただきます。もし麻酔や手術に関して不安な点や疑問点があれば何でも質問してください。
また普段のお子さまの状態、アレルギー、かぜ、喘息、普段から持っている病気、飲んでいる薬などについては、お薬手帳をご持参頂き、必ず麻酔科医に話していただくようお願いします。

手術当日

おうちで飲食をしてもよい時間が決まっており、決められた時間以降の飲食は厳禁です。
おなかの中に食べたり飲んだりしたものが入っていると、手術中に吐きもどしの原因となり危険です。一般的には、前日の夜寝るまで食事は可能ですが、そのあとは透明水分(水、お茶、ポカリなどのスポーツ飲料)に限ります。お子さまの状態や手術開始時間に応じて麻酔科医または主治医から、おうちで飲食をしても良い時間をお伝えしますので、これを守っていただくようお願いします。 

手術室に入ったら、小さなお子さまの場合、まず、眠たくなるガスを吸ってもらいます。これを吸うことにより1~2分程度の間に、完全に眠ってしまいます。この後に点滴を開始するので、注射の痛みは感じません。 気管に人工呼吸のための管を入れてから手術を始める場合もありますが、これも眠っているため何も痛みを感じることはなく、記憶にも残りません。また、眠たくなるガスには少しにおいがありますが、バニラやイチゴなどのエッセンス(香料)を使ってにおいが気にならないようにしています。 

大きなお子さまの場合は、点滴を先にとり眠たくなるお薬を入れ、眠ってもらう方法もあります。

手術終了後

手術が終わりましたら、手術室の隣の回復室(リカバリー室)へ移動し、麻酔覚醒まで過ごします。目が覚めるときの様子は、お子さまにより様々で、泣いたり、暴れたりすることもありますが、時間とともに落ち着きます。

よくあるご質問

麻酔に関する詳細やご家族からの質問について、こちらに掲載しておりますのでご覧ください。

看護

日帰り手術室では、術前からの関わりを大切にし、お子さまやご家族が安心して手術に臨んで頂けるように支援しています。

手術前日の説明

手術前日の説明では、DVDを使用し、お子さまに手術室の様子や一日の流れをイメージしてもらえるようにしています。
お子さまやご家族に、麻酔で使用するマスクやモニターに触れてもらい、痛くないことを感じてもらいます。また可能なお子さまにはマスクを装着し、深呼吸の練習を行います。
当日は麻酔ガスに香りを加えお子様の不快感を軽減しています。お子さまやご家族に、左記の中から好きな香りを選んで頂きます。
手術当日、ベッドにキャラクターの枕カバーを準備します。前日に左記の中からお子さまやご家族に選んで頂きます。

手術当日

お子様の恐怖心や不安感を和らげる目的で同伴入室を導入しています。手術の順番が来ましたら、保護者(1名)に付き添って頂き、入室します。麻酔がかかるまでお子様の側にいていただけます。
火曜日、木曜日、金曜日には、音楽療法を実施しています。
音楽療法はお子様の不安や痛みの軽減に有効と言われており、お子さまの麻酔入眠時と覚醒時に音楽療法士よる演奏を行います。

検査・手術の延期

手術予定日までに、以下のようなことがあるお子様については手術を延期することがありますので、受診されている診療科の窓口に、事前にご連絡ください。

  • 本人または兄弟が、はしか、水ぼうそう、風疹、りんご病、おたふくかぜなど流行性の感染症にかかっている時、または学校、幼稚園、近所でこのような病気が流行している場合
  • 風邪、発熱、発疹、下痢など体調が思わしくない時
  • 検査前3週間以内に生ワクチン(ポリオ、BCG、麻疹、風疹、MRワクチン、おたふくかぜ、水痘)2日以内に不活化ワクチン(インフルエンザ、三種混合、日本脳炎等)の予防接種を受けた場合
  • 手術当日の朝の状態によっては手術を中止することがあります。当日起床時に発熱、激しい咳、下痢、発疹、その他の感染症状がある場合

持ち物

  • パジャマ(前開きの物が望ましい)
  • タオル
  • ティシュペーパー
  • お子様の好きな飲み物(術後の飲み物)
  • 下着
  • ポリ袋
  • 哺乳瓶、ミルク、おむつ(必要時)

費用に関するご案内

日帰り手術で行われている手術に関して、費用の概算額表を医事企画・総合窓口に置いています。また、各種助成制度(乳児医療、育成医療、小児慢性特定疾患)が利用できる場合で金額がそれぞれ変わります。
詳しくは、医事企画課の窓口でご相談ください。

各診療科手術日

日帰り手術で行われている手術に関して、費用の概算額表を医事企画・総合窓口に置いています。また、各種助成制度(乳児医療、育成医療、小児慢性特定疾患)が利用できる場合で金額がそれぞれ変わります。
詳しくは、医事企画課の窓口でご相談ください。

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